ピッツネイル山頂
普段の朝なら5分刻みに目覚ましをセットして、ギリギリまで寝床に執着するのだが、どういう訳か旅先での寝起きは抜群に良い。
シャワーを浴び、朝食を摂り、荷物を整理し、チェックアウトしたら、通りに面したホテルの小さなパーキングエリアに停めてあるパンダにスーツケースを放り込んで徒歩で出掛ける。サンモリッツ上空は晴れ。しかし、周囲の山々は雲の流れに見え隠れしている。
8月13日、日曜日。本日の最終目的地はツェルマット。日本でたてたプランは、サンモリッツとイタリアのティラーノを結ぶベルニナ急行で、氷河を見ながらオスピッツオベルニナまでの往復の間に途中下車しながらトレッキングやら展望台巡りやらをして、そのあと車でユリア峠~サンゴッタルド峠~フルカ峠経由でツェルマット入りするつもりだった。
しかし、オーストリア経由のサンモリッツ入りが昨日の当初プランだったが、実際は最短コースのユリア峠経由に変更したので、今日のルートを当初プラン通りにすると、昨日と同じ道を戻ることとなる。
それに、ベルニナ急行も確実に晴れだったら良いが、周囲の山には結構雲がかかっている。曇天のなか半日かけて往復してもつまらない。
しかも、昨日の経験から、峠越えに要する時間は想像以上。そもそも、当初プランに無理があることが判明したのだ。電車乗って、山歩きして、3つも峠を越えて、今日中にツェルマットに着けるのか?
すぐにサンモリッツを発つことも選択肢だが、それでは何のためにサンモリッツまで来たのか意味不明。どうする?
こんな時はいつもの悪い癖で、悩み事は後回し。手近で確実なものを目指す。すなわち、サンモリッツからわずか30分で行ける展望台ピッツネイルを最初の目的地に設定。ケーブルカー乗り場まではホテルから徒歩5分。
ケーブルカー乗り場のモニターを見ると、山頂の天気は雲が多いが晴れ。いいぞ!あと30分くらいだったら天候はこのまま保つに違いない。乗客は朝食の時にみかけた日本人の女の子達を含めた10数人。発車まで10分ほど待ったのち、ケーブルカーは動き出した・・・かと思ったら1分ほどで到着。そこからまたケーブルカーに乗り換える。今度は10分くらいだっただろうか?
日当たりの良い斜面でひなたぼっこするマーモットを見ていればアッという間。
ここからはロープウェイ。岩肌の露出した斜面に沿って高度をあげて行く。ケーブルは雲の中へと伸びている。山の斜面には、このあたりが冬季オリンピックのコースだったことを示す看板や、滑降のスタート地点らしき建物もある。
雲を突き抜けるとロープウェイの山頂駅が現れた。周囲は雪景色。そしてベルニナアルプスの大パノラマがひろがっていた。
山頂駅の展望台は、昨晩降ったらしいフワフワの粉雪におおわれている。見下ろすと、雲の切れ間からオーバーエンガディンの谷とサンモリッツ湖やシルヴァプラーナ湖。谷を隔てた向こうには、白く雪を抱いたベルニナアルプスの山々が手をつないで並んでいる様に見える。北側には、昨日のユリア峠越えの時は雲の中だったグラウビュンデンの山々が連なっている。
ロープウェイ乗り場からすぐのところにある岩山がピッツネイルの本当の山頂。標高差はわずか30m。
これを登らない手はない。
まだ踏み跡のない雪の登山道を行く。本日の一番乗りは我々だと思うとなんだかうれしい。
一緒の便であがってきた他の面々はというと、2組が山頂駅の暖かいレストランで朝食を摂っている。ひと組は歩いて山を降りて行った。すでに姿は見えない。日本人の女の子達は、シュタインボックの像の周りでキャッキャッと写真を撮っている。
雪道を行くならトレッキングシューズで来ればよかった・・・と一瞬悔やんだものの、歩きはじめて、ものの2~3分で山頂に到達。息が白い。
「白きスイスアルプスの山々と向き合う」
去年は足掛け4日間もスイスに滞在しながらも果たせなかったこのテーマ。今年はワントライで見事にクリア。
感動もひとしお。寒さも忘れる。
さっきまでいたピッツネイルのロープウェイ乗り場が下に見え、その向こうに緑の谷間と連なる湖、そして白き山々。反対側には灰色の山肌のグラウビュンデンの山々。
誰もいない山頂で大きく手を広げて深呼吸しつつ、360度のパノラマを堪能したら、徐々に気温があがって雪が融けだした道を下り、山頂駅に着く。だいぶ人が増えてきた。
ついさっきまでいた山頂を振り返ると、なんと雲におおわれている。朝一で来たのはナイス判断だったようだ。
そうこうするうちに、ロープウェイ乗り場の周辺も雲に包まれだした。
ブレガリア谷の村々
さて、天気はいまいちだし、今日は移動距離も長い。よって、ベルニナ急行やウンターエンガディン方面は却下。ツェルマットまでの最短ルートであるユリア峠も、2度目は通りたくない。
そうなると自ずと残るのはブレガリア谷に向かうルートになる。このルートだと必然的にイタリア国内を通過することになるが、予報によれば天候に恵まれたエリアだから、なにか面白いこともあるだろう。
曇り空のサンモリッツをあとにして針路を西にとる。
サンモリッツ湖、シルウァプラーナ湖を過ぎ、シルス湖西端の村マローヤに到着。霧雨が舞っている。イタリア生まれの19世紀の画家セガンティーニゆかりの村だそうだ。ポストバス乗り場になった広場のすぐ側にセガンティーニの家もある。
街道沿いにあるインフォメーション前の駐車場に車を止めて、セガンティーニの家の脇を通り、緩やかな砂利の小道を登っていく。
15分足らずで丘の上にある半分廃墟のようなベルヴェデーレ城に到着。塔のうえに登る。
東には通ってきたオーバーエンガディンの谷と湖、西にはこれから向かうマローヤ峠のつづら折りとブレガリア谷が見える。北側の山にはイン川に注ぐ幾筋かの滝が見えるが、上の方は雨雲のなかだ。
帰りは別ルートを通るべく城の裏側から細い丘を下る。こちらはなかなか急な山道で、つづら折りになっている。丘を下り切ってもそこはマローヤの街道ではなく、木々に囲まれた谷の底。そこで道が別れているのだが、なぜか標識もない。どれが街道へ戻る道なのか迷うが、耳をすまして車の音がする方に向かうことにする。
マローヤ峠はこちら側からだと上り坂はほんの少しで、すぐに長い下り坂になる。キツイつづら折りを少し走ると、かつてのローマ街道を感じさせる田舎道に変わる。
交通量は少なくて、のんびりドライブ。
カサッチャ、スタンパ、プロモントーニョなどの村々を通過。たまに旧道にそれてその村の中を通ってみたりしてみる。どれもブレガリアの谷から緩やかな山腹にかけてひっそりとある小さく素朴な村。
こんな小さな村でも必ずインフォメーションがあり、ホテルがあり、レストランがある。
やがて、カスタセーニャというまるっきりイタリア名の村があり、その下をくぐるトンネルを抜けると国境の検問所が現れた。
ここからはしばしスイスを離れて、タイ、スイス、リヒテンシュタインに続き、この旅で4ヶ国目となるイタリアに突入する訳だ(正確にはタイは入国していないけど)。
イタリア通過
天候はというと、期待に反してイタリア国内に入っても曇り空。小さな村をいくつも通過しながら狭い谷を下っていく。
集落を通り抜けるときには、車がすれ違えないほど道幅が狭い場所があったりして、昔ながらの街道の雰囲気が味わえる。
谷を下るにつれて、道の両側の建物がどんどんイタリィな感じに変化していく。同じように周囲の山々の植生も、明らかにイタリィ的な温暖気候のそれに変わってきた。
進行方向右側の断崖に滝が見える。ちょうど、街道沿いにあった3~4台ほど駐車スペースが現れたのでここに車を入れる。
滝のあるイタリアの山村「ボルゴノーヴォ」を歩く。滝の説明の看板などもあるが、およそ観光地とは思えない。滝を目指して細い坂道を登って行く。
数軒の民家が集まったところで道は行き止まり。
いや、本当は行き止まりでは無いのかも知れないが、この先は観光客が足を踏み入れる雰囲気で無く、遠くから滝を眺めるに留める。石を積み上げた造りの小さな家々や穀物倉庫が並んでいる。庭には小さな果樹園や畑があって栗の木が多い。
コモ湖にでた。天気は変わりやすく、曇りだったと思ったら突然晴れ間がのぞき、そうかと思うと雨がパラついたりする。BGMを「カンツォーネベスト」にチェンジ。去年の新婚旅行前に買って、一度聞いてうんざりの頂けないCD。
ところが本場イタリアで聞くと、これが不思議なもので実に良いのだ。
大音量のカンツォーネが響くフィアット・パンダは、小さな集落や可愛いリゾート村が点在するコモ湖西岸を南へと走る。やがて、メナッジョの街でコモ湖とはお別れ。ひと山越えると今度はルガーノ湖畔と出会う。
あこはいつの間にか寝ている。雨のルガーノ湖の北岸を走っている。間もなくスイス国境・・・と思ったらトンネルの中に突如検問所が現れた。
制服を着た係員が手を横に延ばして待ち構えている。これまでの国境通過ではありえなかった緊迫感。
「あこ起きろ!パスポートは?」
オロオロと慌てふためく我々。それはリアシートの床の取りづらそうなところに転がったバックの中にあった。1ページ1ページづつ妙に丁寧なチェックをする係員。こういうのも今回が初めてだ。さっきの慌てふためき振りを怪しんだのだろうか?
大渋滞
ここからはスイス連邦のティチーノ州。左手に湖を見ながらしばらく走るとルガーノの街に入る。時刻は午後4時になっていた。
湖畔はリゾート地で、そこから丘にかけて市街地がひろがっている。
ルガーノからは高速2号線を利用。入口を示す看板を頼りに、坂とカーブの連続するルガーノの丘陵地帯を走り抜ける。周囲の運転が心なしか乱暴に感じるのは、ここがイタリアに近いからだという先入観だろうか?
ベリンツォーナは、ルガーノから北30kmほどにある世界遺産の街。中世の街並みと3つの城があるというのは魅力的で、立ち寄ってみたいと思っていた場所のひとつ。
しかし、すでに時刻は午後4時。
これからサンゴッタルド峠~アンデルマット~フルカ峠を越えるまでに2時間。ヴィスプまでが1時間。そこからからテッシュまでが30分として合計3時間半。さらにテッシュからツェルマットまでは電車に乗らなければならない。
よって、ベリンツォーナへの寄り道は不可能と考え、せめて遠くから街並みを眺めるべく、ベリンツォーナのサービスキングエリアに入る。
しかし、残念なことに市街地の眺望は利かない。だったら、と防寒着不足のあこの為にカーディガンを買い、さらに、遅い昼食としてバケットを買う。
ベリンツォーナの先で高速は2号線と13号線のふた手に分かれる。サンゴルダット峠方面は左手の2号線。ところが、山にさしかかったところで突如渋滞にぶち当たる。しかも、まったく動かない。
電光掲示板に事故情報はなく、緊急車両も通らない。しかし、1km進むのに30分以上もかかってしまった。これは厳しい!
こんな時は歌でも唄おう。通販で買って以来ほとんど聴いていなかったCD「80'sポップスベスト」にチェンジ。中森明菜、アリス、八神純子、etc...。
渋滞にはまってから1時間近くが経過。
地図によると、高速道路はこの先でサンゴッタルド峠を越えるルートと、峠直下のトンネルを行くルートのふたつに分かれている。それなのにこの渋滞。
考えられるのはトンネルの手前で1車線に減るパターンだが、それにしては流れが遅すぎる。この峠越えには我々の想像を絶する何かがある。
他にルートがない訳ではない。この先のアイロロで高速を降りてヌフェネン峠を越えれば、最短距離でツェルマット。でも、これを選択しかねているのには2つ理由があった。
ひとつ目の理由は、かつて「どうでしょう班」も通ったフルカ峠を越え、ローヌ氷河を間近で見てみたいから。
ふたつ目の理由は、道路情報に「ヌフェネン峠/雪・スリップ注意」の表示があったからだ。さて、どうするか?渋滞中だから考える時間はたっぷりある。
このまま渋滞の中にいては、テッシュ発の終電に間に合わずに今日中のツェルマット入りが出来ない危険性がある。アイロロで高速2号線を降りる選択をした。渋滞にハマッてから既に1時間半近く経過していた。
大渋滞の高速2号線が遠ざかる。右手の山の中腹にも渋滞の車列が見える。高速2号線がこの先で交わる一般道だろう。一方、ヌフェネン峠へ向かうルートはガラガラ。もともと要路でないのか、それとも過酷な自然が待ち受けているせいかは、今の時点では判らない。
対向車とはたまにすれ違うだけだが、少なくとも屋根に雪が積もっていたりはしない。
だんだんと高度を上げていくにつれカーブが増えてくるが、道は悪くない。
やがて、路肩や岩の影に雪が見受けられるようになる。そのうち雪が舞ってきた。道路以外のあたり一面うっすらと雪景色。
ついに雲の中に突入・・・かと思ったらヌフェネン峠の山頂だった。眺望は全く効かない。風が強く、細かい雪が舞っている。
峠を越えてしばらくはヘアピンカーブ連続の厳しい下り坂。しかも、ミルクのような深い霧に包まれている。それを抜けると、どんよりとした曇り空の下、すこし緩やかになった坂を麓に向かってひたすら下って行く。
ゴムス谷の村々
パンダの馬力でのヌフェネン峠越えはなかなか骨が折れたが、懸念された気象条件はたいしたこともなく麓の村ウルリフェンに到着。
ここはフルカ峠からの道との合流地点でもあるが、フルカ峠方面からやって来る車はまばら。サンゴルダット峠のあの車達は一体どこへ行ったのか?
ここからは小さな村々を幾つも通過しながらローヌ川に沿って徐々に谷をくだっていく。ローヌ谷上流部は一体はゴムスと呼ばれているそうだ。
やはり、小さいながらも教会があって、インフォメーションがあってホテルがある。
数時間前に通ってきたエンガディンやイタリアの村々の建物は石造りだったが、ここは木造の建物がほとんどで、ヴァレー地方らしい景色が続いている。
そのなかのひとつリッキンゲン村に立ち寄る。この村を選んだのに特別な理由はなくて、単に街道に面した教会の前が広くなっていて車が停めやすかったからに過ぎない。
なだらかな斜面に牧草地が広がり、家は街道沿いからその斜面に向けて点在している。街道にも路地にもひと気はなくて、ひんやりとした空気だけがあたりをつつんでいる。
家々やホテルの窓から漏れる明かりと煙突から立ちのぼる煙が暖かそうだ。そろそろ夕食を終える時間だろうか?我々はいつ夕飯にありつけるのやら。
夕暮れ迫るゴムス谷をさらに西進。谷が少し狭くなって、森と山が道路に迫ってきた。地図では右手の山の向こうにはアイガーを源とするスイス最長のアレッチ氷河があることになっているが、ここからは見えない。ただ道中に幾つもケーブルカーの乗り場が現れ、このあたりが山岳リゾートエリアだということが判る。
ブリーグからの道は、ショッピングセンターや工場などもある新しい町が続き、やがてヴィスプからはマッター谷を遡り、去年通った道を再びたどることになった。長いトンネルを抜ける。あ~コレ覚えてる。
小雨が降ってきた。集落のなかをヘアピンカーブでぐいぐい上って行く。あー、この感じも覚えてる。
荒涼とした丘を越えると線路とフィスパ川が見下ろせる。おー、この風景も覚えている・・・がこのあたりからとっぷりと日が暮れて、あたりの景色は見えなくなった。
去年と同じテッシュ駅のすぐ先にある地下駐車場に車を入れて荷物をまとめる。パンダよ、しばしのお別れだ。重いスーツケースを押してスロープを上って駅に到着・・・と思いきや、駅が無い!
なんと、駅は建て替えられてヴィスプ方向へ300mくらい移動していた。
工場中でガタガタした線路脇の道を、時々スーツケースを持ち上げて水たまりをクリアしつつ歩き、近代的に生まれ変わったテッシュ駅にたどり着いた。しかも新駅には、バリアフリーで結ばれた巨大な駐車場があった。ここに止めればよかったな。
次の電車は午後9時30分発。到着を待つ人達は20人ほど。広い構内はガラーンとしている。ズラッと並んだ切符売場は全て閉まっている。自動券売機かと思って挑んだ機械は駐車場の精算機だった。途方に暮れる我々。
改札のオッサンに運賃を払えば良いと判明したのは、電車がホームに入ってきてからだった。
午後9時50分、MGB(マッターホルン・ゴッタルド鉄道)のツェルマット駅に到着。雨上がりの人影も疎らな駅前広場に降り立つ。他の乗客達はたちまち夜の町に消えていってしまい、でかいスーツケースを持った我々だけが暗い駅前に取り残された。
まずはホテルに連絡して迎えに来てもらわねば。
駅前のホテル案内板についている直通電話を使う。予約したホテルを探し、そこに書かれた短縮番号をプッシュするとホテルのフロントにつながるらしい。「水曜どうでしょう」でも、大泉さんがサースフェーで使っていたやつだ。
「アイハブ ア リザベーション」
「イエス、ステイション」
「キャンユー ピックアップ アス?」
言っていることも大泉さんと大差ないな。ドイツ系っぽい老婦人が立ち止まり、受話器を握った私のたどたどしいカタコト英会話に「ちゃんと伝わってるようね」と言う感じに時折小さく頷いている。
10分ほどで電気自動車のタクシーがやってきた。ドライバーはスーツケースを軽々と屋根の上に放り投げる。狭い車内にはすでに西洋人の青年3人が肩を寄せ合って乗っている。
「コンバンワー!」
彼らは陽気だ。窮屈な車内で揺られること数分で目的地のホテル「クローヌ」に到着。マッターホルンを眺めるスポットとしてガイドブックに紹介されている橋のたもとにあるホテル。
しかし、反対側のマッター谷下流に面した部屋だった。まぁ贅沢は言うまい。
シャワーを浴びたら、夕食を求めてツェルマットの町に出る。バーンホフ通りにはこの時間でも営業している飲食店が何軒かあるが、既にどこもバータイムで食べ物はなし。
「この向かいの2階がやってるよ」
バーテンが教えてくれたレストランに向かう。扉を開けると目の前で登り階段と下り階段とに分かれており、2階へ上がるとすぐにテーブルに案内される。店内でつながった1階のバーからは陽気なライブの音が聞こえてくる。悪くない雰囲気。地ビールで乾杯。
いや~、今日も長い一日だった。明日の朝、果たして気まぐれなマッターホルンは我々にその姿を見せてくれるのだろうか?日本の母親からのメールによると、明日の予報は「くもり時々晴れまたは雨」という、なんともアテにならないものだった。