亀崎の田園地帯
鹿島川周辺から佐倉市にかけ、市の北東部に広がるのどかな田園地帯。現在は農地となっているが、かつては印旛沼とつながる沼地のひとつ、つまり沼地か湿地だった思われる。
それが印旛沼干拓事業で現在の姿になったのだろう。鹿島川の対岸は佐倉市となっている。その手前を総武本線が通っている。
亀崎の鉄橋跡
水田地帯のなかにある意味不明のレンガ造りの構造物。斜面にある亀崎エリアの集落から延びてきた土手が、亀崎の水田地帯の低地に差しかかってこのレンガ部で途切れている。
実はこれ、現在はさらに東側を通っている総武本線の旧ルートの鉄橋跡なのだ。
恐らくこの先の鹿島川を越えるために造られたものだろう。
鉄橋の反対側は取り壊されたのか?それとも実は傾斜した鉄橋で、対岸は水田と同じ高さだったのかもしれないが、確認できない。その方向を見ても、目に入るのは「国鉄精算事業団」の看板と、針金の柵に囲まれた休耕地だけ。
千葉県初の鉄道である総武鉄道の「市川~佐倉」間が開通したのは明治27年(1894年)のこと。この陸橋跡はその頃のものだと思われるから、ゆうに100年を経ていることになる。立派な文化財の部類と言えよう。
熊野神社
亀崎の水田地帯から緩やかな勾配の丘を昇ったところにある神社。県道脇にあって、参道がその県道とほぼ平行に延びている。創建は室町時代で、境内の植樹も創建当時のものと言われている。
境内林は四街道市指定天然記念物になっていて、樹齢数100年を経た木々が随所に見ることができる。
物井駅
都心から約50km。四街道市の北東部の端にある駅。以前は木造の小さな駅舎だったが、1998年にキレイな橋上駅舎に生まれ変わった。
圏内には「みそら団地」、造成中の「もねの里」、佐倉市山王地区の団地などがあるため通勤利用者は意外と多いが、駅前ロータリーに店はおろか、客待ちのタクシーすら見えない。あるのは数10台の自転車だけ。
2004年10月のダイヤ改正により快速電車停車駅となる。
天照皇大神社
物井駅から北に300mほど行ったところにある雑木林と住宅が入り混じる高台(というよりは物井駅が印旛沼からつながる低地にある)のなかにひっそりとある神社。
字面からは大きな神社を想像させるが、小さな村の鎮守様といった感じ。
案内板によると、創立年不明。物井地区にあった5つの社が大正時代に熊野神社へ合祀され、その際に天照皇大神社と改名されたとのこと。
天照皇大神社から物井の水田地帯へ下る細い坂道。中世の街道を思わせる雰囲気が残る。
鹿島川
四街道市と佐倉市の境界線付近を流れる鹿島川。川原に降りられる僅かなスペースで釣りをする人の姿が見える。実際の四街道市域は鹿島川の手前までの所がほとんどで、境界線が川を越えている地点はごく僅か。
写真は、物井駅から東へ数100mの鹿島川に架る文巻橋から。写真の撮影地点も厳密には佐倉市。
物井御山不動堂
文化文政年代(1804~1830)の建立といわれる小さなお堂は、四街道市指定文化財。
木々に囲まれた暗い境内の周囲は、新興住宅街として区画整理が進んでいる。
お堂内部に鎮座する3体の木像はいずれも四街道市指定文化財。左から「飯綱権現立像」「制叱迦(せいたか)童子立像」「矜羯羅(こんがら)童子立像」。
本堂の左手にある石像群も四街道市指定文化財。左から「秋葉権現立像」「阿弥陀如来坐像」「大日如来坐像」。
千代田近隣公園
比較的古くからの住宅地である千代田団地の中の緑豊かな公園。この公園の中に「八木原貝塚」がある。千代田団地の造成時に発掘され、ハマグリ・シジミ・アサリなど28種類の貝類のほか、縄文時代の土器や土偶などが発見されたそうだ。
現在は内陸部のこの地も、当時は海水面が今よりも高く、利根川から印旛沼を経て、さほど遠くないところまで海水がせまっていたと思われる。
貝塚はこの公園のどこにあるのかを管理人さんに尋ねると「この辺がそう。1~2m掘ると出てくるらしいよ」とのこと。見た目では全く分からない。
栗山トンボ池
市北東部に広がる田園地帯。その栗山地区の山際にある謎の半人工池である。
「トンボ池」「メダカ池」などの立て札があるものの彼らの姿は見えない。水田とも湿地ともつかない微妙な空間に大雑把ながらも木道が轢かれている。
蓮花寺
「トンボ池」の先から、旧街道の趣きの残る坂道を登っていくと辿りつく蓮花寺。地蔵が並ぶ小さな参門と小さな鐘楼。
その小さな境内全体を被い隠さんばかりに枝を張るイチョウの巨木。四街道市指定保存樹木で高さは27m、樹齢は約150年。幹の周囲は3.75mもある。
蓮花寺参門その参門脇にたつ「享和元年馬頭観音」は四街道市指定文化財。本尊下の白い文字には「物井村・栗山村・長岡村・亀崎村・野田村・生谷村・飯江村・飯重村・羽鳥村・寺崎村・太田村」の合計1の村の名前が書かれている。この道祖神は年貢道にあり、ここを通るこれらの村々の息災を願ったものだそうだ。
栗山小鳥の森
県道64号線東側、細い道が複雑に入り組む静かな栗山の住宅街。その住宅地内の県営住宅と栗山小学校に挟まれた小さな雑木林が「小鳥の森」。その名の通り小鳥達が地面を走りまわっている。
生えている樹木や、さえずっている鳥たちの解説などはなく、雑木林のなかに「何となく」散歩道を通しただけに感じられる「小鳥の森」。さらに、唯一の構造物は枯れかけた藤が絡まる東屋のみ。この開き直ったようなシンプルさには好感が持てる。
だが、公共施設としてはちょっと微妙?バードウォッチングをするには開放的すぎ、ピクニックには暗すぎ、散歩するには狭すぎ、子供が遊ぶには素朴すぎだろう。犬の散歩コースには良さそうだ。
紹介した場所